ソフトバンクホークスの正捕手・甲斐拓也選手がFA権行使することが発表されました。
来季どこの球団に行くのか、熾烈な争奪戦が開始されることが予想されます。
甲斐キャノン
甲斐拓也といえば強肩から生まれる「甲斐キャノン」です。
この甲斐キャノンが生まれたのは2018年。盗塁阻止率.447と12球団で唯一の阻止率4割超えを記録しました。
甲斐拓也の凄いところは肩の強さだけではなく、送球のコントロールや捕ってから投げるまでの速さです。
どんなに強肩で豪速球を投げれたとしても送球が逸れてしまってはアウトを取ることは出来ないです。
さらに、捕ってから投げる時間が短いほどよりアウトを取りやすくなります。
この捕ってから投げるまでの速さは手が早いだけではありません。捕球する下半身の姿勢がとても重要になります。通常であれば捕ってから左足を前に、右足を後ろに姿勢を変えて投げる体勢に入りますが、甲斐の場合は捕る直前に姿勢を変えて(左足を前に出し右足を下げる)から捕球しています。
ただ、捕る直前に姿勢を変える=体を斜めにするということはリスクが伴います。
単純に捕るのが難しくなりますし、もしピッチャーのコントロールが乱れてワンバンする球が来た時、グラブに弾いてしまっても体を正面に向けていれば体に当てて前に落とすことが出来ますが、体勢を斜めにするとグラブに弾いた場合、後ろに逸れていく可能性があり、そうなったら1塁ランナーが3塁まで進む可能性が出てきます。
そんなリスクがある中であえて捕る直前に体勢を変えて体を斜めにするということはそれだけ捕球する技術が高く、自信もあるのだと思います。
この捕る体勢を変えたり、コントロールの良さ、強肩具合、全てが揃うことにより甲斐キャノンと呼ばれる所以になったと思います。
育成出身
甲斐拓也選手は今では日本を代表するキャッチャーですが、もともとは育成選手でした。
大分県大分市出身で2010年に育成枠でソフトバンクホークスに入りました。
支配下登録されたのは3年後の2013年。そして翌年の2014年には1軍捕手の調子が思わしくなかったため、宮崎キャンプからA組抜擢される。休日返上の猛練習や、強肩アピールの功を奏し、開幕1軍を迎えることが出来ました。
しかし定着することは難しく2軍降格になったり、1軍昇格になったりを繰り返していました。
しかし、着実に実力を発揮できるようになり、1軍での試合出場日数が増えてきて2017年には同じく育成出身の千賀滉大投手や石川柊太投手とバッテリーを組むなどしてクライマックスシリーズや日本シリーズにも出場。そして育成枠出身の捕手としては史上初のゴールデングラブ賞、そしてまたもや育成枠出身で史上初のベストナインを受賞しました。
現在ではゴールデングラブ賞を累計7度受賞しています。
育成枠出身から日本代表する選手になるシンデレラストーリーそのものな選手です。
どこの球団に行くのか
11月15日FA解禁後、各球団による争奪戦が予想されるが、ソフトバンクホークスも残ってもらいたいため、複数年契約の提示することで引き留める方針であり、また巨人が調査に乗り出しており、15日から猛アタックをかけるのではないのでしょうか。
いずれにしてもどこの球団に行っても甲斐キャノンの名声を轟かせて欲しいものです。